LINEに感じた日本文化

カジです。春の月も悪くないですね。

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「月がきれいですね」「死んでもいいわ」これは、どちらも「I love you」の有名な日本語訳です。「月がきれいですね」は夏目漱石、「死んでもいいわ」は二葉亭四迷です。

もちろん「月がきれいですね」だけでは「I Love You」の訳にはなりません。ただそれまでの文脈を読みとれば通じるわけです。日本語って粋ですね、外国語でも文脈や行間を読むとかあるんでしょうか?


さて話は変わりますが、NAVERが提供するiPhoneアプリ「LINE」でチャットしていた時におもしろいことに気づきました。


「LINE」のチャットには表現力豊かなスタンプがあり、会話を楽しく演出してくれます。このスタンプを会話の中で使っていると、スタンプだけで会話が成り立つスタンプ無双の状態になり大変おもしろいです。

スタンプだけで会話が成立「スタンプ無双」

このスタンプ、人気があったのか、LINEのイラストにコメントがつけられるアプリが提供されています。このコメントつきのイラストをもらった瞬間、ちょっとした違和感を感じました。文字があるときと、文字がないときで受ける印象が違うのです。


普段のスタンプと印象が違う・・・

これ何でかな?と考えてみたんですが、違いは文字の有無だけ。情報が少ないからこそ、相手が何を言いたいのかを考える、相手のことを思うわけです。スタンプ無双の時は不思議な一体感があり、えも言われぬ心地よさがあります。文字があるときには、文字から意味が伝わるため、それ以上の面白さを感じません。

文字や映像、音声があれば情報が多くなります。その分ブレはなくなりますが、相手のことを想像する必要が無くなります。文字がなくとも意思が伝わるミニマリズム「LINE」のスタンプ無双、他の国でも成立するんでしょうか?もしかしたら文脈や行間を読み取れる日本人ならではかもしれません。


冒頭に書いた夏目漱石の「月がきれいですね」に感じる日本文化を、最新のiPhoneアプリから感じたのでした。

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